物件名 旅館MJ館
探索日 2005年7月
廃墟開始 平成12年
分類 宿泊施設(大型宿泊施設、温泉付)
規模 大規模(5階建2棟、他小型別棟)


冒頭からボカシ過ぎてわけのわからない写真だが、大型旅館MJ館にやってきた。



五階建て二棟。階段だらけ。複雑な入れ子建築。建て増しの城。



その他にもいろいろ別館やらなんやら建物が連なる。



ここらへんが入り口のようだ。しかしのっけから階段を昇らせる建て方はどうなのか。



パンフレットより。客は到着後直ちに階段を昇り、受付後も延々と昇っていく構造。



プール。この頃ギャルだった人は今何歳なのだろうか。


風呂上りに浴衣を着て、お土産を買い漁るのが日本式観光温泉宿作法。



親のカタキのように入浴を繰り返し、血圧を十分に上げてからビールを流し込む作法。



ロビーは手狭。絨毯敷きに和風インテリア。最初にこのコーディネイトを考えた奴は神。



なぜロビーに鎧兜を飾るのか。誰が喜ぶのか。これを見ると和むのか。それは本気か。



放置されるような絵なのに、展示はガラスの向こう。高いのか安いのか。



ハイテクとローテクの融合に見えるが、実はデザインがローテクに負けたハイテク見本。



「実は部屋をとってあるんだ」 「それは奇遇ね、わたしも部屋とってあるの。おやすみなさい」



宴会場は2種5間。浴衣を着た客にミニスカスーツの女が酒を注ぎビンゴに興じる民俗学。



その民俗学会場。インターエスノロジー見本市。酒と歌と芸と女の慰安。それがENKAI。



ENKAIの後はNIJIKAI。NIJIKAIはスナックと決まっている。やることは同じ。



NIJIKAIとENKAIの違いは、NIJIKAIの方が狭く暗いところで行うところ。女の数は増える。



NIJIKAIの必須アイテムはミラーボールだ。



ENKAIではビールや日本酒を飲み、NIJIKAIでは洋酒を飲む。デュオニソス的ロジック。



NIJIKAIに参加しない者は一昔前のコンピュータに遊んでもらうのが日本の掟だ。



それすら受け入れられない者は撞球や卓球に流れる。ENKAI後の階級社会。



天井のはがれた廊下を、客室に向かう。



TATAMIの上にZATAKU。ここでトランプやマージャンもアフターENKAIの定番だ。



割り当てが和室でも洋室でも、違和感なく泊まれるのが日本人だ。



野良人だって布団で眠る。



和室で洋式トイレでもへっちゃら。



人を小馬鹿にしたユニットバスでも怒らない。シャワーだけより一億倍マシ。



旅館の事務所。シーズンの引き出しは大きい。給湯設備完備でお茶飲み放題。



貴重品はフロントで預かってくれる。旅館に持ってくる貴重品ってなに?



ツヤコやシズやカヨやウタやトシが働く温泉旅館。なぜ苗字で呼ばないのか。



最後の日の名札。ラスト客が帰った翌日、いきなり職場がなくなった。



職場は突然知らない人の物になっていた。サイケンとかホウリツとかがやってきた。



サイケンとホウリツがやってきてデテイケと言った。ウタやツヤコは困った。



ここでみんなで賄いを食べた。



タダ喰いもいた。モラルについて考えたが、モラルが何かわからなかった。総務マジギレ。



どうしても牛乳が片付けられなかった従業員たち。女将マジギレ。



古い学習机発見。入れる物指定。厳しい躾だったことがわかる。椅子の色から女の子か。



箪笥にも入れる物指定。規律正しい一家のものだったのか。



やはり女の子の部屋だったらしい。宝船がワンポイント。



しかしゴミ箱は男の子用。息子もいたのか。



さて厨房では飲み物が減る事件。社内規律はそうとうユルかったらしい。



ロッカーには従業員の置いていったシャツが。派手な男物。



ロッカーに尋常でないラクガキが。呪いかなにかか?



料理用金箔がそのまま。なんとなくもったいない。



さて露天風呂はどこだろう。



プールの横を通って露天風呂へ。露天風呂はあるのに露天便所はない。



どんなに愛し合っていても、ここでは必ず別れる事になる。熱湯恋愛地獄。



夜10時は早過ぎないか。NIJIKAIが終わってからでは間に合わない。



で、露天風呂ですが、蛇の目傘の風呂だから蛇の目の湯。



古風な絵柄のイラストだが、ボディはムチムチ。服着てるのにエロ過ぎ。



土産物屋は深夜の地下街のように閉店。



MIYAGEショッピングは日本人の三大義務のひとつ。憲法にも書いてある。



MIYAGEでは饅頭や煎餅などの菓子が一般的である。般若キーホルダーも可。



この鳥だけ置いてけぼり。連れて行ってくれてもいいのに。



突然、鳥がコンニチハ! それにしてもデカイ。



慰安旅行は税務対策上、研修旅行と称され、形だけ研修を行う場合がある。欺瞞福利厚生。



某地方の謎キャラ登場。外人にはモンキープッシーベイビーと説明せよ。



最後に大浴場でしめくくり。日本では水と湯は別の物質とされる。



湯につかりまくる国民性は、公衆衛生に大きく役立った。湯こそ日本。温泉万歳。



日本人にとって温泉は食事と近似な行為だ。ひとつでは満足せず、色々入る。



湯治も栄養吸収の一環であり、医療のひとつ。医食湯同源がジャパニーズだ。



しかし今、入浴はビジネスであり、泉質より資金調達で作られては消えてゆくのだった。



コメント TEL

王道を行く、温泉ホテル物件です。
温泉地の中心近くに立地し、名ばかりではない大浴場、露天風呂を備え
スナック等の娯楽施設を内包しております。

地下の通路で建物同士が繋がり、階段が多くややテクニカルな構造になっていました。
あまり廃墟の話題に上がらない物件ですが、しっかりBB戦士達の戦場となった痕跡も
ありました。

コメント pcfx

営業当時のパンフレットの写真と、廃墟後の様子の対比をお楽しみください。

階段だらけの施設内と従業員の接客の悪さは、営業当時から評判になっていました。

有名温泉地で過当競争に負けるべくして負けていった経営。作れば儲かる方式は通用
しなくなったようです。



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