冒頭からボカシ過ぎてわけのわからない写真だが、大型旅館MJ館にやってきた。 五階建て二棟。階段だらけ。複雑な入れ子建築。建て増しの城。 その他にもいろいろ別館やらなんやら建物が連なる。 ここらへんが入り口のようだ。しかしのっけから階段を昇らせる建て方はどうなのか。 パンフレットより。客は到着後直ちに階段を昇り、受付後も延々と昇っていく構造。 プール。この頃ギャルだった人は今何歳なのだろうか。 風呂上りに浴衣を着て、お土産を買い漁るのが日本式観光温泉宿作法。 親のカタキのように入浴を繰り返し、血圧を十分に上げてからビールを流し込む作法。 ロビーは手狭。絨毯敷きに和風インテリア。最初にこのコーディネイトを考えた奴は神。 なぜロビーに鎧兜を飾るのか。誰が喜ぶのか。これを見ると和むのか。それは本気か。 放置されるような絵なのに、展示はガラスの向こう。高いのか安いのか。 ハイテクとローテクの融合に見えるが、実はデザインがローテクに負けたハイテク見本。 「実は部屋をとってあるんだ」 「それは奇遇ね、わたしも部屋とってあるの。おやすみなさい」 宴会場は2種5間。浴衣を着た客にミニスカスーツの女が酒を注ぎビンゴに興じる民俗学。 その民俗学会場。インターエスノロジー見本市。酒と歌と芸と女の慰安。それがENKAI。 ENKAIの後はNIJIKAI。NIJIKAIはスナックと決まっている。やることは同じ。 NIJIKAIとENKAIの違いは、NIJIKAIの方が狭く暗いところで行うところ。女の数は増える。 NIJIKAIの必須アイテムはミラーボールだ。 ENKAIではビールや日本酒を飲み、NIJIKAIでは洋酒を飲む。デュオニソス的ロジック。 NIJIKAIに参加しない者は一昔前のコンピュータに遊んでもらうのが日本の掟だ。 それすら受け入れられない者は撞球や卓球に流れる。ENKAI後の階級社会。 天井のはがれた廊下を、客室に向かう。 TATAMIの上にZATAKU。ここでトランプやマージャンもアフターENKAIの定番だ。 割り当てが和室でも洋室でも、違和感なく泊まれるのが日本人だ。 野良人だって布団で眠る。 和室で洋式トイレでもへっちゃら。 人を小馬鹿にしたユニットバスでも怒らない。シャワーだけより一億倍マシ。 旅館の事務所。シーズンの引き出しは大きい。給湯設備完備でお茶飲み放題。 貴重品はフロントで預かってくれる。旅館に持ってくる貴重品ってなに? ツヤコやシズやカヨやウタやトシが働く温泉旅館。なぜ苗字で呼ばないのか。 最後の日の名札。ラスト客が帰った翌日、いきなり職場がなくなった。 職場は突然知らない人の物になっていた。サイケンとかホウリツとかがやってきた。 サイケンとホウリツがやってきてデテイケと言った。ウタやツヤコは困った。 ここでみんなで賄いを食べた。 タダ喰いもいた。モラルについて考えたが、モラルが何かわからなかった。総務マジギレ。 どうしても牛乳が片付けられなかった従業員たち。女将マジギレ。 古い学習机発見。入れる物指定。厳しい躾だったことがわかる。椅子の色から女の子か。 箪笥にも入れる物指定。規律正しい一家のものだったのか。 やはり女の子の部屋だったらしい。宝船がワンポイント。 しかしゴミ箱は男の子用。息子もいたのか。 さて厨房では飲み物が減る事件。社内規律はそうとうユルかったらしい。 ロッカーには従業員の置いていったシャツが。派手な男物。 ロッカーに尋常でないラクガキが。呪いかなにかか? 料理用金箔がそのまま。なんとなくもったいない。 さて露天風呂はどこだろう。 プールの横を通って露天風呂へ。露天風呂はあるのに露天便所はない。 どんなに愛し合っていても、ここでは必ず別れる事になる。熱湯恋愛地獄。 夜10時は早過ぎないか。NIJIKAIが終わってからでは間に合わない。 で、露天風呂ですが、蛇の目傘の風呂だから蛇の目の湯。 古風な絵柄のイラストだが、ボディはムチムチ。服着てるのにエロ過ぎ。 土産物屋は深夜の地下街のように閉店。 MIYAGEショッピングは日本人の三大義務のひとつ。憲法にも書いてある。 MIYAGEでは饅頭や煎餅などの菓子が一般的である。般若キーホルダーも可。 この鳥だけ置いてけぼり。連れて行ってくれてもいいのに。 突然、鳥がコンニチハ! それにしてもデカイ。 慰安旅行は税務対策上、研修旅行と称され、形だけ研修を行う場合がある。欺瞞福利厚生。 某地方の謎キャラ登場。外人にはモンキープッシーベイビーと説明せよ。 最後に大浴場でしめくくり。日本では水と湯は別の物質とされる。 湯につかりまくる国民性は、公衆衛生に大きく役立った。湯こそ日本。温泉万歳。 日本人にとって温泉は食事と近似な行為だ。ひとつでは満足せず、色々入る。 湯治も栄養吸収の一環であり、医療のひとつ。医食湯同源がジャパニーズだ。 しかし今、入浴はビジネスであり、泉質より資金調達で作られては消えてゆくのだった。
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