南国っぽい屋根を乗せて、二回潰れた施設が立ち腐れる。 最初はリゾート宿泊施設、その後飲食店として営業したが、立地が悪かったのか廃業。 南国風屋根にコンクリ壁、玄関は洋風。適当な合成。 建物の傷みは激しく、僅か十数年で潰滅寸前の様子。 店内の装飾は洋風だったようだ。 壁の割れ目を補修した跡があり、さらにそれが割れている。 合板やベニヤが剥がれ垂れ下がり、冷蔵庫は下から錆びていく。 壁のタイルはサイケな模様。あまり上品な作りではなかったようだ。 割れ窓から植物軍が雪崩のように侵入してくる。ガラスを割った犯人は、実は植物かも。 壁面上部に照明装置。これはここでなんらかのショウが開催されていた事を表す。 厨房周辺。壁はやはりサイケだ。 余談だが、pcfxはこのガラスブロックの壁フェチだ。家を建てる時は壁は全面これにしたい。 落ちてきた赤瓦が床に散乱。天井はとっくに崩壊。 男子トイレは青色シーサー。 内部は小便器すら残っていない。 女子トイレは赤色シーサー。 便器の蓋には植物の特殊部隊がすでに張り付いている。 密室でなくなったが故、その使命を終了した換気扇。 洗面台はなくなっていたが、手洗い石鹸水だけは中身ともに残っていた。 廊下の壁面から建物の神経が露出する。壁という皮膚。配線という神経。 下駄箱があった。靴を脱いで入る場所だったようだ。 崩落した建物に元オーナーの夢の跡。やりたいことと叶う事は違うようだ。 その夢の腐敗物を訪れる我々は、さながら死体にタカるハエか。
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